伊藤詩織さん民事訴訟を応援するブログ

伊藤詩織さんの民事訴訟について、裁判資料や報道を元に検証します。伊藤さんを不当に貶める言説に触れてしまった人の心を癒やせる内容になるよう頑張ります。「伊藤詩織さんの民事裁判を支える会」とは関係なくやっておりますので、内容について同会への問い合わせなどはお控えください。

2015年6月中旬 山口氏は家宅捜索をされたのか

 

 

note.com

 

主要な物ではないと思うが、本件について残った論点の一つが「山口氏は事件の様子をPCで録画したかどうか」。上田24氏がこの点について上記エントリで触れておられるので、私の見解を記しておきます。

 

山口さんは家宅捜索は受けておらず、任意の捜査に協力しただけ?

伊藤さんは、盗撮を疑った山口氏のPCについて、「家宅捜索を行いパソコンやタブレットを押収したが、そもそもカメラのついていない機種だった」と説明されたと言います。(BlackBox 5章「不起訴」警察で示談の弁護士を斡旋される

 

 

ただし、当の山口さん自身が

⚫︎逮捕状について
記事では何か政治的な力が働いて逮捕状が握りつぶされたかのような内容になっていますが、逮捕状について私が誰かに何かを頼む事そのものが全く不可能であった事は火を見るより明らかですので、時系列でご説明させて下さい。(なお記事中では逮捕状が出ていたと断定して書かれていますが、私はそれが事実かどうか現在でも知るすべがありません。当局の方には逮捕状を示されたことも、逮捕状について言及されたこともありません。全ての調査は任意で行われました。

 (山口敬之氏 facebook投稿 2017年5月10日より一部抜粋)

と説明しており、食い違いがあります。1.伊藤さんが嘘をついたか、2.伊藤さんが嘘の説明を受けたのか、3.山口氏が嘘の説明をしているのか、3つに1つです。それぞれ検討しましょう。

 

1.伊藤さんが嘘をついた

 「家宅捜索を行いパソコンやタブレットを押収したが、そもそもカメラのついていない機種だった」と説明された、という伊藤さんの話がウソである場合です。ただこれは、伊藤さんがこのようなウソをつく必要性がわかりません。上田24氏のように、「警察は適正な捜査を行っているではないか」と解釈する読者を増やすだけです。

 

2. 伊藤さんが嘘の説明を受けた

 実際には任意の捜査しか行っていないのに、警察が「山口氏には家宅捜索を行った」とウソの説明をした場合。このb「逮捕した上で家宅捜索などの強力な捜査を行っていれば、もっと証拠を得ることができたのではないか」という伊藤さん側の主張に説得力が増してきます。なお、伊藤さんは取り調べの際に録音をしていたとのことです。担当した警察官が単に言葉を厳密に用いなかっただけかもしれず、警察側に何らかの悪意があったとも言い切れません。

 

3.山口氏が嘘の説明をしている

 山口氏が実際には差し押さえ許可令状に基づく家宅捜索を受けたのに、「任意の捜査に全面的に応じ」たと説明した可能性。山口氏が厳密に区別せずに説明していたり、あるいは支持者を安心させるためのものだったかもしれません。

 

私は2の可能性が高いと考えていますが、いずれにせよ、伊藤氏と山口氏の説明に食い違いがあり、「山口氏が事件時にホテルの部屋に持ち込んだPCにカメラはついていなかった」と確定的に語るには時期尚早ではないかと考えます。

 

(追記:以下常体で記載。同時にエントリのタイトルも変更した。) 

さて、こちらの記事にもご指摘を頂いたのでお応えする。「裁判資料からも捜索差押があったことが確認できる」とのこと。どの資料で確認できるのか明示していただければより有り難いのだが。