伊藤詩織さん民事訴訟を応援するブログ

伊藤詩織さんの民事訴訟について、裁判資料や報道を元に検証します。伊藤さんを不当に貶める言説に触れてしまった人の心を癒やせる内容になるよう頑張ります。「伊藤詩織さんの民事裁判を支える会」とは関係なくやっておりますので、内容について同会への問い合わせなどはお控えください。

伊藤詩織さんを執拗に中傷する人たちは、なぜトランプの不正選挙説に同調してしまうのか

 

 

ざっくり言うと

1.極めて偏った情報源しか参照していないから

2.安倍政権が中道化した物足りなさをトランプで埋めてきたから

 


米国大統領選は民主党バイデン氏の勝利で決まったが、敗北したトランプ氏が不正選挙説を唱えて回っている。

 

 

FOXニュースなどの「親トランプ」メディアにすら不正選挙説を否定する報道が見られる。不正選挙説をリードしているのは、Epoch Times(法輪功)やワシントンタイムズ(統一教会)、あるいは幸福の科学など宗教系の情報ソース、他にはブライトバートなどのソッチ系が多いようだ。日本でも、産経どころか虎ノ門ニュースすら不正選挙説には積極的には乗っていないし、Libertyや保守速報、文化人放送局などのさらに振り切れた人たちだけがトランプの勝利を信じているようだ。

 

 

 

トランプ大統領はFOXニュースに対して怒り心頭で、新しいメディアを立ち上げる計画もあるらしいが、共和党支持者の間でもトランプ氏を応援する勢力は一部にとどまっているという。

 

 

 

世の中には色んな考え方がある。共和党なりトランプ氏なりを支持することは何の問題も無い。バイデン氏が日本にとって良い大統領かもわからない。しかし、選挙で負けた現職大統領の側が、大した根拠も示さないままに不正選挙を叫ぶのを支持できない、というのが私の考えだ。

 

 

 

 

 

 そんな中、伊藤詩織さんへの中傷を繰り返すTwitterアカウントのTLを覗いてみると、高確率でトランプ氏の唱える不正選挙説に同調していることに気づいた。これはどう説明されるのだろう?

 

 

 

 現在、伊藤さんをディスるような情報を積極的に載せる日本のメディアはほぼ存在しない。産経新聞や正論すら、山口氏を擁護する論陣を張っていない。上念司氏やKazuya氏などのウヨ系インフルエンサーも、山口氏を表立って擁護することはできない状況だ。以前は積極的に山口氏側に立った言論を行っていた杉田水脈氏や足立康史氏らすら、判決後は口を閉ざしている状態である。これは、トランプ不正選挙説にまつわるメディア状況と酷似している。

きっと彼らは、文化人放送局や「保守系まとめサイト、橋本琴絵氏あたりを主要な情報源にしているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

そもそも日本の保守派はなぜこんなにトランプ推しなのか。この記事によれば、櫻井よしこ氏は16年の大統領選挙前はヒラリー推しだったという。トランプ氏は当初「アメリカファースト」を掲げ、在日米軍撤退、日本の核武装容認説まで飛び出したほどであったから、これは当然のことだ。その後、2017年2月に安倍首相がトランプ氏の別荘でゴルフをプレーして以来、本邦保守派のトランプ傾倒が始まったと解説している。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20201116-00208080/

 

ちなみに、2017年1月に発売された山口敬之氏の著書「暗闘」は激しくトランプ推しであった。さすが、安倍首相に最も近いジャーナリストである。

 

 

 

 

 

第二次安倍政権を振り返ってみると、前半の2016年までは安保法制や特定秘密保護法などの保守派寄りの政策が目立ったが、その後は憲法改正を視野に入れての事か、「働き方改革」「オリンピック」が目玉政策となった。熱心な保守派には物足りなかったことだろう。他にも、中国の一帯一路構想に賛意を示し、香港の問題についても厳しい反応を示さない日本政府の対応に物足りなさを感じた保守派は多かっただろう。

 

 

そんな折り、トランプは中国に厳しい発言を繰り返し、新型コロナウイルスの事を「China virus」などと呼び、tiktokやファーウェイに厳しい態度をとった。本邦保守派は、安倍首相に感じた物足りなさをトランプ氏で埋めたのではないか。日本のトランプ信奉者たちが「バイデンは中国の操り人形」みたいな話を好むのも、トランプ愛の裏返しなのだろう。