伊藤詩織さん民事訴訟を応援するブログ

伊藤詩織さんの民事訴訟について、裁判資料や報道を元に検証します。伊藤さんを不当に貶める言説に触れてしまった人の心を癒やせる内容になるよう頑張ります。「伊藤詩織さんの民事裁判を支える会」とは関係なくやっておりますので、内容について同会への問い合わせなどはお控えください。

ライオンクローバー氏へのお返事

 

ライオンクローバー氏からお返事を頂いたのだが、氏のブログは流出資料を元に、月経周期がどうのこうの推論を巡らしているので、リンクを張ることは控えたい。以下、引用の形で当方からのお返事をしたためる。

 

 

 

流出した裁判資料を元にブログを執筆したと豪語するライオンクローバー氏

 

(1)「このブログ記載の情報ソースが今ひとつはっきりしない」について

結論から言うと、「はっきりしている」

情報ソースは過去に流出した産婦人科診断書及び反訴状であり、明示している。

また、消退出血については筆者の過去のブログで既に言及しており出典元も明示している。

以上からはっきりしているものを「今ひとつはっきりしない」と言及することは不適切である。

 

 ライオンクローバー氏は、現在裁判所で閲覧制限状態にある診断書(過去に画像が流出し問題となった)を元に、伊藤さんの健康情報について想像を巡らしている、と自身で認めた。

 

 

さて、私は元ブログで

4月17日に産婦人科受診した時点では4月9日からの出血を避妊成功のサインと考えたが、その後なかなか月経発来が見られないので5月になって改めて妊娠の検査を行ったというだけの話だ。望まない妊娠に対する恐怖心を思えば、当然ありうることだろう。

と書いた。これは、判決翌日の伊藤さんの会見からも読み取ることができる。

 

 

youtu.be

 

ピルを飲んだあとに行った病院では、体の検査をしていただくために行ったんですね。その時は、ピルを飲んでから多分一週間前後だったと思うんですけど、ピルの副作用で出血があったとお話しています。なのでその時は出血はありました。なぜ、その後にも妊娠の心配を伝えていたかと言うと、それから、月経が来なかったということに加え、当時の捜査員から山口氏に連絡をして彼が今どこにいるのか探って欲しいと言われていたんですね。

(ピルを飲んでから一週間前後の)4月10日ころに出血があった。(従って、一旦は妊娠の心配はしなくてよくなった。しかし、)その後月経が来なかったので妊娠の心配は残った、という趣旨のことを伊藤さんは述べている。また、捜査員と話をしたのは5月のゴールデンウィーク中の話だ。

 

つまり、伊藤さんの発言から、モーニングアフターピルを内服し出血もあったことで一旦妊娠の不安は大きくなかったが、5月になっても月経が来なかったので妊娠の心配が再燃した、というふうに容易に読み取れる。私の元ブログでの主張は、伊藤さんのこの発言を下敷きにしたものであるとわかっていただけると思う。

 

 

 

 

ピル内服後の「消退出血」は確実な避妊成功を意味するのか

 

私は元ブログで以下のように書いた。

「予定通りの時期にいつも通りの月経が訪れない」こと自体が妊娠の可能性を上げる出来事です。緊急避妊薬内服後に性器からの出血が見られた場合、勿論避妊成功の確率は高まりますが、それが消退出血であったと断言することはできません。

 その後も月経発来がなかったのなら、妊娠の可能性を危惧するのは合理的なことです。また、確実に妊娠成立を否定するためには、ある程度時間をおいてから尿検査や超音波検査を行うことが必要です。4月中旬には妊娠の確率は低いと考えたとしても、その後しばらく月経発来が無かった場合、5月上旬に詳細な検査を行うことに何も不思議はありません。

 

要約すると、「一般的には緊急避妊ピル内服後の出血は避妊成功のサインだと考えられているが、必ずしもそうとは限らない」ということだ。

 

 

また、消退出血だと断定できないとのサボ氏はてなブログでの主張についても、まつしま病院が運営しているSARC東京のパンフレットから否定される。

 

それに対するライオンクローバー氏からのお返事は「パンフレットにはこう書いてある。だからサボ氏の発言は間違いだ」というものだ。私は、パンフレット通りの事しか起こらないとは限らないと主張しているのだが・・・。おそらく、ライオンクローバー氏は、自身の主張が反論のテイをなしていないことに気づいていないのだと思う。

 

もし、ライオンクローバー氏が私の主張を否定したいのであれば、「ピル内服後の性器出血は一つの例外もなく避妊成功のサインだ」あるいは「避妊成功を意味しない出血と避妊成功を意味する出血は一つの例外もなく判別可能である」と、根拠を添えた上で述べて欲しい。

 

 

 

緊急避妊ピル内服後の月経周期はどうなるのか

(3)伊藤氏がはっきりとは言及していないものの、イーク表参道やまつしま病院の説明が杜撰だったと仮定した場合、4月9日の次に本来の月経日にもう一度月経が来る(ひと月に二度月経が来る)という認識をしていた可能性が否定できないため、そのように考えたと仮定して、さらに検討していく。

(ここで、一言。伊藤さんの主張を正当化するとどうしても「ヤブ医者」との前提で考ざるを得なくなる。実際伊藤さんは複数の医師に「いちゃもん」をつけている。このような伊藤氏の態度は極めて問題であるし、サボ氏はわかっていて「わざと」不当な主張をしていると疑われ、その態度はある意味伊藤氏以上に不当だと考える。)

緊急避妊ピル内服後、本来の月経周期通りに出血が起こることはないし、当然病院は患者にそう説明するはずだ、というのがライオンクローバー氏の主張のようだ。

 

管見の限りではあるが、私はそのような知見に当たることができなかったので、是非原典について教えて欲しい。なお、私があたったいくつかの資料について示しておく。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

Side effects

Emergency contraceptive pills have an excellent safety profile, and no deaths or serious complications have been causally linked to any ECP regimen. ECPs may cause some side effects that are typically mild and transient. The most common side effect of ECPs is changes in the menstrual period that follows use of ECPs. These changes may vary depending on when in the cycle the pills are taken, according to three studies designed to study the effects of levonorgestrel ECPs on the menstrual cycle. These studies show that when levonorgestrel ECPs are taken early in the cycle, they shorten cycle length, but when they are taken later in the cycle, they may have no effect on cycle length or may prolong the length of the cycle. In a study comparing ulipristal and levonorgestrel ECPs, menstruation occurred on average one day earlier than expected for users of levonorgestrel ECPs, and two days later than expected for users of ulipristal ECPs.

太字は引用者が施した。緊急避妊ピル内服後の月経周期の変化について説明されているが、消退出血が起こった時に月経周期が「リセット」されるという記載はない。

 

http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf

↑緊急避妊法の適正使用に関する指針 平成28年編 日本産婦人科学会

LNG-ECP 服用後には月経周期の乱れがよくみられる。WHO の試験 16)において、16% の女性では予定された月経とは無関係に治療後 7 日以内に出血がみられている。およそ 50%の女性では月経が予定よりも数日前後ずれることを認めている。

副作用について、下記の報告がある。

1 国内臨床試験

国内第III相臨床試験において、総症例 65 例中 47 例(72.3%)に副作用が認められた。 主な副作用は、消退出血30 例(46.2%)、不正子宮出血9 例(13.8%)、頭痛8 例(12.3%)、 悪心 6 例(9.2%)、倦怠感 5 例(7.7%)、傾眠 4 例(6.2%)等であった(承認時)。

ここにも、消退出血とともに月経周期が「リセット」されるような記載はない。

 

www.p-a.jp

服用後に起きる「消退出血」とは?

アフターピルの服用後に起こるのが「消退出血」と呼ばれる症状です。
この消退出血は服用効果によるもので、ホルモンの減少によって子宮内膜がはがれることで起こります。

 

 

消退出血が起こると避妊が成功したとみなされますが、初期妊娠の出血や不正出血の可能性もあり、完全に安心できるわけではありません。

服用後の生理は早まるor遅れる?

アフターピル服用後の生理への影響は一般的に起こらないとされています。
しかし、アフターピル服用時の子宮の状態によっては、月に2回生理が来ることがあります。

排卵前や排卵期:生理予定日より早い1回目の生理(消退出血)後、予定日に2回目の生理が来る
排卵後:本来の予定日に生理が来る(自然な生理と消退出血が同時)

アフターピル服用後の生理は、月2回または本来の予定日に1回かのどちらかです。
もしもアフターピル服用後に予定日より生理が遅れた場合妊娠をしている可能性が高いと考えられます。

 

生理が予定日より遅れた時は婦人科や検査薬で妊娠検査を行い、妊娠をしているかどうかを確かめてくださいね。

一般向けにかみ砕いた説明がされているが、やはり「リセット」に値するような表現はない。

 

ライオンクローバー氏はネット検索の果てにどこかでそんな情報に接したのかもしれない。私もその情報元の妥当性について一緒に検討したいので、教えて欲しい。

 

 

 

 

4月24日の伊藤氏のメール

「山口さん、まだ生理が来ていないので不安で仕方がありません。寝ても覚めてもこのことで頭がいっぱいです。何故妊娠することはあり得ないなどと言えるのですか?理由を教えてください。11:48」

伊藤氏は上記メール送信の前日4月23日まつしま病院を再度受診していた。

「生理が来ていないので、不安で仕方がない」が事実だとすれば、そのことを再診時に申告していなければメールと整合しない。

そして、(ひと月に二度の月経あると考え)生理の遅れを仮に申告していた場合、まつしま病院にてサボ氏も主張するように妊娠検査をしていただろう。(チェックワンファストなど早期妊娠検査薬によって検査可能)

ところが、診断書(上記再診時から約2年後 小林章氏情報より)には妊娠検査をしなかったと明記されている。

診断書の受診目的に妊娠不安の記載がなく、妊娠検査をしたとの記載もないことから、

4月23日に月経についての不安を申告していた可能性は否定される。よって「ひと月に二度月経が来る」と伊藤さんが認識していたと仮定することはできない。

したがって、彼女の月経に関する認識をどのように仮定したとしても、伊藤氏は出血を認識した4月9日、遅くとも4月17日には「避妊成功した」と認識しており、その後の妊娠不安の主張は全て虚偽である。

サボ氏主張の「望まない妊娠への恐怖」は、妊娠に関するメールを送信した4月18日時点で既に避妊成功したと認識していたのであるから、そのような推測は成り立たない。

 

ここでも、「消退出血が起こったのだから月経周期はリセットされる」と当然視する主張が行われているが、この主張の根拠が見当たらないことはすでに述べた。

 

 

再掲するが、

4月17日に産婦人科受診した時点では4月9日からの出血を避妊成功のサインと考えたが、その後なかなか月経発来が見られないので5月になって改めて妊娠の検査を行ったというだけの話だ。望まない妊娠に対する恐怖心を思えば、当然ありうることだろう。

と記したとおり、5月になってから強く妊娠を危惧したものと筆者は解釈している。24日の伊藤氏のメールは、その前日に法テラスの弁護士から以下のように言われたことを受けてのものだろう。

弁護士からは、メールのやりとりは参考にはなるが、現状では直接的な言葉がない、と言われた(伊藤氏 BlackBoxより)

 

実際、その後山口氏から「精子の活動がどうのこうの・・・」という言質を得る事ができたわけで、結果として伊藤さんの大金星である。

 

 

 

(4)第二の嘘についてのサボ氏の主張は、伊藤氏すら主張していないことを憶測で語り、また上記で証明したとおり、そもそも伊藤氏は望まない妊娠への恐怖を感じていないことから、主張そのものが失当であると解する。

 

ライオンクローバー氏の中に、私の主張を否定する材料がないということがわかった。