伊藤詩織さん民事訴訟を応援するブログ

伊藤詩織さんの民事訴訟について、裁判資料や報道を元に検証します。伊藤さんを不当に貶める言説に触れてしまった人の心を癒やせる内容になるよう頑張ります。「伊藤詩織さんの民事裁判を支える会」とは関係なくやっておりますので、内容について同会への問い合わせなどはお控えください。

山口敬之氏 hanada手記ファクトチェック

 

hanada-plus.jp

このエントリでは、山口氏のhanada独占手記について、「明らかな客観的状況、あるいはその後の山口氏の主張と矛盾する部分」「伊藤氏の印象を悪化させる表現」に着目し、「不正確」「ミスリード」「誤り」などの判定を行った。

もちろん、本エントリで取り上げなかった部分にも、伊藤さんの主張と激しく対立する部分ばかりであることは言うまでもないが、それはまたいずれ。

異論や提案などあればぜひコメント欄にお願いしたい。

 

 

 

この問題は、この会見に先立つ5月中旬、なぜか『週刊新潮』が安倍総理べったり記者の準強姦逮捕状」というセンセーショナルなタイトルで報じていた。

スリード

 山口氏は「なぜか『週刊新潮が』」などという表現を行い、新潮による報道をうさんくさいものであるかのように描いているが、実際には本記事の「後編」で山口氏は伊藤氏が各種マスコミに接触していることを事前に察知していたと述べている。

 

 

 

 

しかし4カ月あまりの審理の末、検察審査会は9月21日、「不起訴処分は妥当」との最終結論を出した。「犯罪行為があった」という女性の主張は退けられ、刑事事件としては完全に終結した。 

誤り

 確かに、本件は不起訴事件として終結したように見えるが、事実はそうではない。 

news.yahoo.co.jp

実は、検察審査会の審査とは無関係に、不起訴処分後、検察はいつでも独自の判断で再捜査を始めることができることになっている。

 不起訴と聞くと、それで完全に終結し、二度と捜査が行われなくなると思うかもしれない。

 基本的にはそのとおりだが、検察には「再起」と呼ばれる制度がある。

 いったん不起訴にしたり、捜査を中断したものの、その後の事情の変化を踏まえ、再び起訴に向けた捜査に着手するというものだ。

 関係者から核心を揺るがすような証言が新たに出てきたとか、未発見だった重要な証拠物が発見されたといったような場合には、事情の変化があったということで、再捜査を行うことになる。

 その場合、伊藤さんの側から検察に対して資料を提出し、再捜査を促すことも可能だ。

まだ刑事手続は終わっていない

 2015年の事件であるうえ、準強姦罪の時効は10年だから、再起による再捜査や起訴の可能性は2025年まで続く。

 

もちろん、これから「再起」が行われる可能性がどの程度あるのか、本エントリでは明示することはできないが、「刑事事件としては完全に終結した」という山口氏の主張が誤りであることは間違いない。

 

 

 

あなたの言う「デートレイプドラッグ」は、その後、調べてみたところ、町の薬局で手に入るものではなく、ほとんどがインターネットを通じた取引だということですね。

誤り

 デートレイプドラッグは、飲料に混入させ、服用した相手の意識や抵抗力を奪って性的暴行に及ぶ目的で使われる、睡眠薬抗不安薬である。日本で犯行の際主に用いられるのは、代謝速度が速く証拠が残りにくい睡眠導入剤や短時間型の睡眠薬で、警察署に備えられている検査キットに反応しない種類のものだといわれる。

ja.wikipedia.org

 

 

 

 

寿司屋でトイレに入ったあなたは、長い間出てこなかった。心配になった店の方に促されて、ようやく出てきたあなたは、見るからに酔っぱらっていました。驚いた私は、やむなく急いで会計を済ませました。店を出たのは22時半から23時頃だったと思います。店を出る段階で、あなたは足元が覚束なかった誰が見ても、一人で電車に乗って帰すことは困難な状態でした。

誤り

これは、控訴審で出てきたお店の方からの聴取内容と事実が異なる。どちらが正しいのか私にはわからないが・・・。

 

伊藤さんがトイレから出て10分くらいして、別のお客さんと話し込んでいた伊藤さんに対して、山口さんが、「俺、先に帰っていいかな?」と言っていました。

当店を出るとき、伊藤さんは、かなり酔ってはいたが、ベロンベロンとか、フラフラといった様子ではなく、しっかりとした様子で、普通に店を出られました。

 

 

lisanha1234.hatenablog.com

鮨屋店主によれば、伊藤さんがトイレから出て30分ほどしてから二人は退店し、その時の足取りはしっかりとしていたという。

 

 

 

 

しかし、私は当時、TBS報道局のワシントン支局長を務めていたので、ワシントン時間の午前中、すなわち日本時間の23時過ぎまでに済ませなければならない作業(メール確認やパソコンでの調査・連絡)を複数抱えていました。

誤り

 事件当日の昼、山口氏はTBSから「自宅待機命令」を受けており、ワシントン支局への連絡は必要ない。

 

 

 

 

 

 

私は泥酔しているあなたがタクシーから降りるのを手伝いました。あなたはタクシーのなかで嘔吐したこともあって、傍目には少し回復したように見えました。

誤り

 山口氏は、陳述書で「そもそも彼女は、酔っ払っていて、気持ち悪そうにしており、全く頭が働く状態ではありませんでした。そして、案の定、このタクシーの中で嘔吐してしまいました。」と主張している。

 

 

実際のあなたは、2つのカバンを自分で持って、自分の足でヨタヨタと歩いたのです。 

 誤り

 カバンを持ったのは伊藤氏ではなく山口氏であることを、山口氏自身が裁判で認めている。

 

 

 

 

 

 

 

ブラウスとスラックスは、大量の吐瀉物で汚れていました。 

また、バスルームの床面もゲロまみれだったので、シャワーで洗い流すなどして部屋に戻ると、あなたはいびきをかいて寝ていました。

誤り 

 山口氏は、スラックスに吐瀉物はついていなかったと一審の本人尋問で述べていたのだが、控訴審で提出した陳述書では「膝の上にはこんもりとした吐瀉物がありました。食後間もなかったこともあり、伊藤氏のブラウスとスラックスの上に塊となっていました。」「タクシー内の吐瀉物については、伊藤氏自らの著書の中で、固体状のものという証言を得たと書いてますが、伊藤氏の膝の上にあった吐瀉物もまさにそういう感じでした」とある。吐瀉物の量や性状が、発言のたびに変化している。

 

 

 

何回か聴取が繰り返されたあと、捜査員は私にこう言いました。

あなたの供述は何度聞いても詳細で矛盾がない。」

誤り

 山口氏が裁判で説明した事件当日の行動は、ホテルのドア解錠記録と不一致がある。警察からの聴取では問題にならなかったのだろうか。

 

 

 

あなたはスーツケースから、私のTシャツのうちの1つを選び、その場で素肌に身に着けました。覚えていないとは言わせません。

結局、私はそのTシャツを未だに返してもらっていません。そのTシャツの存在を認めると、自分の主張の辻褄が合わなくなるからですか?

スリード  

 Tシャツを受け取った経緯については主張が異なるが、Tシャツを着て帰ったこと自体は伊藤さんも認めており、著書に書いている。

 

 

 

 

あなたは、ホテルを出て数時間後に婦人科に行ったと証言しているが、そこでどんな検査を受けましたか? 

妊娠していないかどうかだけを検査し、ピルをもらったと言っている。ホテルの部屋での、英語の独り言の内容と符合します。
 
病院やその後、連絡したNGOの対応に不満を述べてはいるが、どう言い訳しても、あなたは結果として血液検査を受けなかった。あの段階では、「デートレイプドラッグを飲まされてレイプされた」とは思っていなかったからではありませんか?

正確

 山口氏が指摘するとおり、4月4日の段階ではデートレイプドラッグを飲まされたとは思っていなかった。だから検査を受けてない。

 

 

 

「山口さん、お疲れ様です。無事ワシントンへ戻られましたでしょうか? VISAのことについてどのような対応を検討していただいているのか案を教えていただけると幸いです。 伊藤」 

 あなたはこれまでに、週刊誌などに対して、私とのメールのやり取りを部分的に公表していますが、このメールはあえて伏せている。

それはなぜですか? 都合が悪いと思っているからですか? 

不正確

 伊藤氏は著書ブラックボックスでこのメールを紹介し、当時どのような意図があったのかは説明している。(ただし、「お疲れ様です」の部分は省かれている)

 

 

 

私があなたに初めて会った時、あなたはキャバクラ嬢でしたね。

2013年9月、国連総会の取材でニューヨークに滞在していた時に、知人の記者に連れられて行った日本人相手のキャバクラで、キャバクラ嬢として私の隣に座ったのがあなたでした。

スリード

キャバクラ嬢というのかピアノバーというのか知らないが、仮にキャバクラ嬢だとしたらいったいなんなのだろうか。

 

 

 

 

インターン希望者が面接日時を指定してくる異常性にたじろぎ、当時TBSニューヨーク支局ではインターンを募集していないという事実を伝えました。その後も、TBS以外の日本のテレビ局を紹介してほしいという、あなたの要請は続きました。
 
結局、あなたは私の紹介で日本テレビのニューヨーク支局でインターンをすることが決まりましたね。

自己矛盾

 伊藤さんを異常な奴だと思ったのであれば、なぜ日本テレビに紹介したのか。

 

 

 

 

そしてキャバクラで出会ったあと、あなたに会ったのは、昼間に某支局長を紹介した1回だけです。

それ以外、私はあなたを1度も食事に誘ったり、誘惑したりしたことがないことは認めますね?

正確

 山口氏と二人きりであったことは事件まで一度も無いと伊藤氏も認めている。 

 

 

 

 

「(前略)現在絶賛就活中なのですが、もしも現在(TBSワシントン支局で)空いているポジションなどがあったら教えていただきたいです。宜しくお願いします! 東京にお戻りの際はぜひお会い出来たらうれしいです」

「早速のご返信ありがとうございます! 本気です! プロデューサーのポジションに応募させていただきたいです。ぜひとも検討していただけませんでしょうか? よろしくお願いします!」

「どんな形であれ、ジャーナリズムのお仕事に携われるなら雇用形態は問いません。どうぞよろしくお願いします!」
 
また、!マークのたくさんついたメールが何度も送られてきました。

スリード

!マークのないメールもたくさんある。

 

 

 

 

あなたの強い要望がきっかけとなって、問題となった恵比寿での会食がセットされました。

スリード

 山口氏が文春記事の件で急遽帰国が決定し、伊藤さんからの希望に応じたことで会食がセットされた。 

 

 

 

この経緯と、私が何らかの処分を受ける可能性があるということは、あなたにも伝えていましたね。

スリード

 山口氏は、「文春を読んでおいてね」と伝えただけで、処分を受ける可能性があるとは伝えていない。 

 

 

 

私がワシントンに戻ってあなたからビザに関する問い合わせを受けたあと、4月中旬頃から私に厳しい処分が出そうだという噂が広まり始め、その噂どおり、結局、私はTBSワシントン支局長を解任され、日本への帰国を命じられた。

そして、TBSワシントン支局でインターンをしたいあなたの希望を叶えることができなくなりました。
 
あなたが「私から性暴力の被害を受けた」と言い出したのも、なぜかその時期です。

「意識のない私をホテルに連れ込み云々」といったメールを初めて受信したのが、4月18日のことです。それ以降、あなたからは大量の敵対的な攻撃、罵倒、返信が遅いという非難など、メールのニュアンスが一変しました。

最初の穏便なメールを送ってから2週間の間に、あなたに何があったのでしょうか?

スリード

伊藤さんが山口氏の扱いの噂について知っていたかのような表現をしているが、TBSはそんなに情報管理が緩い会社なのだろうか。

 

 

 

 

不起訴処分が出てから10カ月も放置した末に、私がメディアに露出するようになってから改めて記者会見を行い、検察審査会に不服申請をしたのはなぜか。

スリード

2016年5月末 山口氏、TBSを退職

2016年6月 山口氏、著書「総理」発売 7月の参院選を前に山口氏のメディア露出増える

2016年7月   不起訴処分

2017年1月 山口氏、著書「暗闘」 発売

2017年5月  伊藤氏、記者会見+検察審査会に不服申立  

 

不起訴処分から会見まで10ヶ月が経ったというのは事実だが、当の山口氏自身が伊藤さんが本件についてマスコミとの接触を続けていたことを知っていたというのだから、「放置」という表現は明らかに誤りである。また、山口氏のメディア露出は2016年6月から増え始めている。

 

 

 

 

しかし、5月中旬に『週刊新潮』が記事を載せた頃から、なぜか複数の野党政治家があなたの側に立った発信を始めるようになりました。

まず、民進党参議院議員有田芳生氏が、あなたの会見の3日前の5月26日、
「来週、この事件をめぐって新たな動きがあるようです」
と会見を予告するようなツイートをし、それに対してあなたは「いいね」を押しています。

なぜ、野党政治家があなたの会見の予定を事前に知っていたのか。あなたが伝えたのですか? 

政治とは縁のなかったあなたは、いつからこうした政治家と交友を持つようになったのでしょうか?

スリード

 新潮報道の後から、与党政治家が伊藤さんの側に立った発信を始めたら確かに驚きだが、野党政治家であれば何の不思議もない。当たり前のことだ。また、伊藤氏がメディアに接触していたことについて、山口氏の耳に入っているのだから与野党政治家の耳にも入って当然だろう。

 

 

 

 

そして不思議なことに、あなたの記者会見と呼応した野党政治家の動きと全く同じタイミングで、私の所に大量の誹謗中傷のメッセージが寄せられるようになりました。

スリード

 記者会見が2017年5月29日で最初の国会質問が6月2日なので、野党政治家の動きと山口氏への批判が寄せられるのが全く同じタイミングになるのは当たり前である。

 

 

 

 

 

あなたは5月の記者会見で、「共謀罪よりも強姦罪改正を優先して審議してほしい」と主張しました。

スリード

 

greenbox2020.hatenablog.com

本件は長くなるのでこちらで詳述した。