伊藤詩織さん民事訴訟を応援するブログ

伊藤詩織さんの民事訴訟について、裁判資料や報道を元に検証します。伊藤さんを不当に貶める言説に触れてしまった人の心を癒やせる内容になるよう頑張ります。「伊藤詩織さんの民事裁判を支える会」とは関係なくやっておりますので、内容について同会への問い合わせなどはお控えください。

伊藤さん事件 時系列チェック③ 串焼き屋・鮨屋「命にかかわる酒量」「およそ採用の余地のない態度」を両店員が証言?

時系列チェックシリーズ バックナンバー紹介

greenbox2020.hatenablog.com

山口さんが「来週後半、空いてる夜はある?」と伊藤さんに送信した20分後に、予約サイトで「来週後半」の事件の舞台となったホテルを予約した。このホテルは山口さんの東京での用務先からは交通の便が悪い上、値段も高くシングルルームの設定がない。

 

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1.山口氏は、伊藤さんと落ち合う1時間前にホテル客室にいたと思われるが、裁判では「すでに店にいた」と主張。何かを隠している可能性がある?

2.山口氏は伊藤さんと落ち合った時点でTBSから自宅待機命令を下されていた。

 

 

 

 

 

こんにちは。さて、両名が落ちあって向かった串焼き屋・寿司屋さんでも、互いの主張に食い違いが見られます。詳しく見ていくとキリがないので、「酒量」「話題」の2点に絞ります。山口さんは「両店の店員さんによると」という表現で伊藤さんの酒量や話題について語っているのですが、その内容があまりに常識外れとなっていることです。 

 

ざっくりいうと

 山口氏の主張する飲酒量や当時の2人の会話は店員さんの証言によるもの。しかし、店員さん達の「証言」する飲酒量はあまりに多過ぎ、他の部分と整合しない。

 また、店員さん達の「証言」する二人の会話内容が真実なら、山口さんは伊藤さんの採用をまともに検討するはずがない。両店の店員は本当に真実を語っているのか・・・?

 

 

山口さんの主張

 本エントリ内の「山口さんの主張」は以下の2つから組み立てています。長いです。

 

伊藤さんの主張 

次に、伊藤さんの主張はこちらがソース。こちらも長いので、気になる方だけお読みになっていただければ。

 

 

 

命の危険を来すほどの酒量

 さて、上記ソースを読んだ所、伊藤さんの主張は両店舗分を合算して「日本酒換算3-4合」と、やや多めな量といったところ。対する山口さんの主張は、「日本酒換算12-14合」と、かなり非常識量です。ただし、山口さんは「店員さんの証言」を引用する形で主張しており、一定の信頼が置けるのも事実です。

 とはいえ冷静に考えてみると、山口さんは「伊藤さんは午後11時前に寿司店で泥酔してしまったのでやむなくホテルに連れ込んだが、午前2時ころには完全に酔いから醒めていた(大意)」と主張しています。ですが、本当に日本酒換算12-14合などという大量の飲酒は命に関わるほどのものですし、仮に命が助かったとしても午前2時どころか翌日も一日中二日酔いでまともに動けるはずがありません

 この点について、山口さんを擁護する側は「伊藤さんは酒に強いと言ってるから夜中に酔いから醒めたのではないか」とよく主張されるのですが、それは寿司店を出る時点で泥酔状態にあったという山口氏の主張そのものを覆します。

 ↓のグラフは、アルコールの代謝速度を極めて早く仮定し、嘔吐によるアルコール排出の影響を最大限に大きく仮定したものですが、23時時点と午前2時時点のアルコール濃度に大差はありません。

 以上から、山口さんの主張する「23時に伊藤さんは泥酔、2時には覚醒」というストーリーまたは両店店主の主張する伊藤さんの酒量のどちらか、あるいは両方が事実ではないのではないか、と当ブログは指摘いたします。

 

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https://greenbox2020.hatenablog.com/entry/2020/03/01/145854

↑計算の根拠を知りたいかたはこちら。ちゃんと読むと20分くらいかかってしまいますので、表・グラフ部分だけ斜め読みしてください。伊藤さんの飲酒量が今の私の理解と若干違いますが、大意は変わりませんのでそのままご参照ください。

 

およそ採用の余地などない態度?

  伊藤さんの説明では、両店舗ともに山口さんは店員さんや他のお客さんとばかり話をしており、ビザの話はあまり進まなかったとのこと。しかし、山口さんの主張では、山口さん側が散々ビザ取得斡旋は難しいと説明したにも関わらず、伊藤さんが執拗に自己アピールを繰り返すため、その執拗さに両店の店員ともに強く記憶に残ったとのことでした。

 さて、山口さんの主張では、面談の場では「ビザ取得斡旋は難しいと再三に渡って説明した」とのことですが、伊藤さんと事前におこなったやりとりがどうであったか、思い出してみましょう。

www.justiceforny.com

ソースはこちら。以下に一部抜粋します。

 

山口さん、お久しぶりです。お元気ですか?
昨年は日本テレビでのインターンを紹介していただきありがとうございました。学校でのラストスパートと並行して大変貴重な経験を培うことができました。現在は東京のロイター通信でテレビニュース部のインターンをしております。CNN東京からもインターンのオファーを頂いたりと、ニューヨークでの経験が大変役立っております。本当にありがとうございました。大変感謝しております。
以前山口さんが、ワシントン支局であればいつでもインターンにおいでよといってくださったのですが、まだ有効ですか?笑 
現在絶賛就活中なのですが、もしも現在空いているポジションなどがあったら教えていただきたいです。
東京にお戻りの際はぜひお会い出来たらうれしいです。

2015-03-25(伊藤詩織『Black Box42頁) *赤字BBで省略部分

インターンなら即採用だよ。プロデューサー(有給)でも、
詩織ちゃんが本気なら真剣に検討します。ぜひ連絡ください!

2015-03-25 19:25  (伊藤詩織『Black Box43頁)

↓著書では省略
早速のご返信ありがとうございます!本気です!
プロデューサーのポジションに応募させていただきたいです。
是非とも検討していただけませんでしょうか?宜しくお願いします!

2015-03-25

本気みたいだね。そしたらこっちも本気で検討します。
日本語で履歴書を作ってPDFかFaxで送って下さい。
あとビザは持ってる?新規プロデューサーという事になると、採用やら待遇やら、TBSインターナショナル本社の決済(ママ)を取らないとなりません。これにはかなりの時間がかかります。あるいは、まずこっちに来てフリーランスとして契約して、しばらく仕事をしてもらいながら正式な採用に向かうという手もあります。このやり方なら私が決済できます。どういうやり方がいいか、ちょっと考えてみます。

2015-03-25 22:17  (伊藤詩織『Black Box44頁)

↓著書では省略
山口さん、
お疲れ様です。
日本語の履歴書を添付させて頂きますので、ご検討の程よろしくお願い致します。伊藤詩織

2015-03-27 20:17

履歴書受け取りました。ありがとう。最大の関門はビザだねTBSで支援する事も可能ですので、検討してみます。ところでヤボ用で一時帰国する事になったんだけど、来週は東京にいますか?

2015-3-28 17:31  (伊藤詩織『Black Box44頁)

↓著書では省略
ご連絡ありがとうございます。
VISAは難しい部分であります(原文ママ)よね。ご検討の程、よろしくお願いします。はい、来週東京にいます!
一時帰国ということはお忙しいかとは思いますが、
もしお時間がありましたら是非お会いしたいです!

2015-03-28 21:44

調べたら、支局のスタッフとして雇用するために会社で支援をした実績はあるようです。
来週後半、空いている夜ある?

2015-3-29 14:26 (伊藤詩織『Black Box45頁) 

↓著書では省略
調べていただきありがとうございます。少し望みが見えて嬉しいです!空いています!山口さんのご都合のいいお日にちを教えていただければ幸いです。
2015-03-29 23:29

                             (下線はブログ主による)

 面会時に「インターンをやるにもサイドワークが必要だから(あなたが)就職ビザを取得するのが最大の関門だ」「プロデューサー採用のためには伊藤さんの経験・実績が不足している」などと説明するのなら、このメールで語ったことはいったい何だったのかということになります。

しかも、当該面会時に伊藤さんは日本酒1升以上の飲酒し、まともに会話も成立しないほどの自己アピールを繰り返す状態だったそうで、なおさら採用などするはずがありません。それなのに、山口さんは以下のようなメールを後に伊藤さんに送信しています。

 

罵声浴びた記憶はないけどな。今ニューヨークのTBSインターナショナル本社と、あなたを雇用するにはどういうパターンがありうるか検討しています。最初からプロデューサーとして雇うには、支局のスタッフを増やす事になるので新たに予算をつけることになります。インターンとして仕事を始めてもらうなら、ハードルは下がります。

VISAについては、プロデューサーとしてVISA取得を支援するには、
一旦こちらに来て正式な面接を受けてもらう事になります。実質的にはそのまま合格なんですが、その後一旦東京に戻ってアメリカ大使館でパスポートにVISAを貼付してもらわなければなりません。インターンの場合は、面接は不要だそうです。これも給料を払うか払わないかを基準にしたアメリカの法律の違いだそうです。

いずれにしても、現在ニューヨークの新しい社長と交渉中です。
今しばらくお待ちください。

  2015-4-14 19:18 (伊藤詩織『Black Box』78頁) 

 

 狭き門であったはずのプロデューサー採用について、「面接を受けてもらうけど実質的にはそのまま合格」と説明しています。これはいったい・・・?その部分について、裁判で伊藤さん側代理人から突っ込みが入っています。

<伊藤さんの採用について>

(陳述書には「辟易させるほど」「会話も噛み合わない」「手酌で何杯も(飲んだ)」「トイレで眠りこけ」といった表現があるが、およそ採用の余地がなかったのではないかと問われ)お酒を飲んで元気になる人は嫌ではない。全然ダメという結論に達する印象はない。

【『BlackBox』によると、山口さんは伊藤さんに対し、4月14日に「ニューヨークのTBSインターナショナル本社と、あなたを雇用するにはどういうパターンがありうるか検討してます」、4月17日には「あなたの雇用について少し進展がありました。まだやる気があるかどうかだけでも返信して下さい」とメールしている】

(本当に採用する気があったのかと問われ)情報収集する支局員を増やしたいという希望はあった。当時採用を検討していたカメラ助手の男性についても、もう少し電話取材や会見に行って原稿を書くことをトライしてみてと言っていた。このカメラ助手の男性と差し替えはできるか、継続して検討していた。

私としては4月14日以降に私への攻撃がエスカレートする中で、私としては「全く違うのに言うから、どうしたんだろう」と言動を元に戻してほしいと言う意味で送ったことはある

(あなたからすると意味不明の文句を言う人を採用しようと思ったのかと問われ)レイプがあったと言われて以降は、(揉め事を)処理することにしか集中していなかったが、火消しと言うとあれだけど、事実と違うことを戻す気持ちだった。

懐柔するつもりでメールしたのではないが、このまま伊藤さんがこうしたことを言い続けるのか、私も動転していましたから、伊藤さんを雇用する、しないよりも、問題解決をしたいと言う意図だった。

https://www.bengo4.com/c_18/n_9886/(強調部分はブログ筆者による)

 

 山口さんは「お酒の強い人は嫌いではないから」という言い方をしていたのですが、その後問い詰められて「雇用するつもりというより言動を元に戻してほしいという意味だった」と主張が変遷しました。どの部分を信じればいいのかよくわからなくなってしまいましたが、店員さんの証言、あるいは4月中旬頃の山口さんのメールのいずれかに(または両方)は大きな嘘があるということになりそうです。ナゾが深まってしまいましたね。