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山口さんが「来週後半、空いてる夜はある?」と伊藤さんに送信した20分後に、予約サイトで「来週後半」の事件の舞台となったホテルを予約した。このホテルは山口さんの東京での用務先からは交通の便が悪い上、値段も高くシングルルームの設定がない・・・。
こんにちは。このエントリでは、事件当日に伊藤氏、山口氏が落ち合うまでの事を検証します。
ざっくり言うと
山口氏の主張は、客観的な証拠(ホテルの解錠記録)と矛盾する部分があり、メールの送受信記録と照らし合わせたとき不自然な点がある。一審でその点を指摘された山口氏は、控訴審で主張を変遷させている。
また、山口氏は伊藤さんと落ち合った時点でTBSから自宅待機命令を下されていた。
それでは以下の手順で検証していきましょう。わくわく。
1.客観的な証拠である、メールの送受信記録、およびホテルの解錠記録について検討
2.伊藤さんの主張について、著書ブラックボックスおよび陳述書を検討
3.山口さんの主張について、陳述書を検討
1.メールの送受信記録およびホテルの解錠記録
まずはメールの送受信記録、およびホテルの解錠記録を並べます。
・部屋の開錠記録
— おおきなことり🌹 (@qcYPTOotBTbNyS5) 2020年1月6日
20150403
01:45 ゲスト
12:56 ゲスト
13:01 メイド
14:03 メイド
14:17 ゲスト
18:03 ゲスト
19:04 ゲスト
23:20 ゲスト
18時前後と18:55に山口氏は恵比寿に居たと証言しています。しかし開錠記録でホテルに居たことが証明されました。嘘をついたということです。
*(7/8追記)この解錠記録は、部屋の外からカードキーを使って解錠したもののみ記録され、室内からドアを開けた場合は記録されないようです。なぜそう断言できるかというと、翌4月4日の解錠記録を閲覧された方から情報をいただいたからです。
↓山口さんは午前中にチェックアウトしてますがゲスト解錠の記録がありません。午後から次の顧客が宿泊したのでしょう。
なお、TBS法務・コンプライアンス室によれば、この日山口氏はTBSからの聴取最終日。詳細な時間は不詳ですが、終了時に自宅待機命令を下されたとのことです。この命令がいつまで続いたかは定かではありませんが、しばらく山口氏については「山口氏(自宅待機命令中)」と記載することにします。
甲46号証の2
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年6月20日
「ご回答」
TBS法務・コンプライアンス室室長
控訴人(山口敬之氏)は、本件不法行為時に自宅待機を命ぜられていたこと、及びワシントン支局長としてなすべき業務がなかったこと、TBS社報道局ワシントン支局のスタッフを雇用する権限はなかったこと等#わたしは伊藤詩織氏を支持します pic.twitter.com/mpvApPyYjj
メールについては、大人気のJFNY様をソースにしました。
13:29
(Y→S)「今日は昼間は仕事かな。恵比寿集合だと何時頃来られる?」
16:26
(S→Y)「お疲れ様です。恵比寿ですと、8:00には確実に行けます!宜しくお願いします!」
18:03
山口氏(自宅待機命令中) ホテルの部屋を解錠
18:41
(S→Y)「仕事たった今終わりました。集合の時間が決まりましたら連絡ください」
18:52
(Y→S)「恵比寿についたら連絡ください」
18:54
(Y→S)「恵比寿についたら連絡ください。私は8時前に着いてるけど急がなくても大丈夫だからゆっくり来てください」
19:04
山口氏(自宅待機命令中) ホテルの部屋を解錠
解錠記録とメールのやりとりには特段矛盾点はないようです。山口氏は用事(TBSからの聴取)を済ませ、18時頃にホテルに戻り、19時過ぎまでホテルの部屋にいたのでしょうか。19時前のメールもおそらくホテル内で送信したのでしょう。
2.伊藤さんの主張(著書ブラックボックスおよび陳述書)を追加
次に、上記の経過に、伊藤さんの主張を付け加えてみます。追加部分にはアンダーラインを施しています。
08:00
伊藤氏 奉納相撲の取材で靖国神社に出かける(著書・BlackBox)
13:29
(Y→S)「今日は昼間は仕事かな。恵比寿集合だと何時頃来られる?」
16:26
(S→Y)「お疲れ様です。恵比寿ですと、8:00には確実に行けます!宜しくお願いします!」
18:03
山口氏(自宅待機命令中) ホテルの部屋を解錠
18:41
(S→Y)「仕事たった今終わりました。集合の時間が決まりましたら連絡ください」
伊藤氏 取材を終え、九段下からタクシーで赤坂の会社に移動、機材を置く。(著書BlackBox)
18:52
(Y→S)「恵比寿についたら連絡ください」
18:54
(Y→S)「恵比寿についたら連絡ください。私は8時前に着いてるけど急がなくても大丈夫だからゆっくり来てください」
19:04
山口氏(自宅待機命令中) ホテルの部屋を解錠
20:00頃
伊藤氏、原宿の自宅で着替え、恵比寿駅へ。電話をすると山口氏(自宅待機命令中)が駅に迎えに来てくれた。(原告陳述書)
【閲覧報告】
— 小林 章 (@Akira_5884) 2019年1月29日
「原告陳述書(甲37号証)」① 一部抜粋#metoo #民事訴訟 pic.twitter.com/Gjml0rBAKK
とくにメールや解錠記録と破綻する部分はなく、伊藤さんの説明を疑う理由は見いだせません。山口さんは19時過ぎにホテルを出発し、20時前にお店に着いたのでしょうか。
3.山口さんの主張(陳述書)を追加
それでは、最後に山口さんの主張を付け加えてみましょう。
01:29
(Y→S)「今日は昼間は仕事かな。恵比寿集合だと何時頃来られる?」
山口氏 メール発信後、就寝。
04:26
(S→Y)「お疲れ様です。恵比寿ですと、8:00には確実に行けます!宜しくお願いします!」
朝
山口氏 起床し伊藤さんからのメールを確認、鮨屋を20時から予約。
【閲覧報告】
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年2月20日
「被告陳述書(2)」平成30年11月12日
3、事件当日のホテルに至るまでの経緯
(1)「鮨の喜一」に予約を入れた経緯
(2)伊藤氏と合流した経緯
(3)「とよかつ」での経緯
(4)「鮨の喜一」での経緯#OpenTheBlackBox #詩織さん #山口敬之 pic.twitter.com/BOZdJCZuNV
(解説)山口氏は、午後1時と4時にやりとりされたはずの上記2件のメールについて、午前1時、4時にやりとりしたと主張。な、なんで・・・?TBS聴取終了時に自宅待機命令が出たことと関係・・・?
08:00
伊藤氏 奉納相撲の取材で靖国神社に出かける
13:29
(Y→S)「今日は昼間は仕事かな。恵比寿集合だと何時頃来られる?」
16:26
(S→Y)「お疲れ様です。恵比寿ですと、8:00には確実に行けます!宜しくお願いします!」
18時頃
山口氏(自宅待機命令中)、恵比寿に到着。時間をつぶすため串焼屋に入る。
18:03
山口氏(自宅待機命令中) ホテルの部屋を解錠
(解説)ホテルから恵比寿まで、タクシーで10-15分程度はかかり、解錠記録と矛盾が生じる。山口氏は、解錠記録について本人尋問で問われ「あり得ないですね。間違いだと思います」「解錠記録という意味が、私少しわからないんですけども」「私はずっと恵比寿にいて、証人もいますので」と返答している。
【閲覧報告】
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年2月21日
「被告反対尋問」2019年7月8日
原告代理人(加城弁護士)① #OpenTheBlackBox #山口敬之 pic.twitter.com/22fCqNB0Sa
18:41
(S→Y)「仕事たった今終わりました。集合の時間が決まりましたら連絡ください」
伊藤氏 取材を終え、九段下からタクシーで赤坂の会社に移動、機材を置く。原宿の自宅で着替え、恵比寿駅に向かう。
18:52
(Y→S)「恵比寿についたら連絡ください」
18:54
(Y→S)「恵比寿についたら連絡ください。私は8時前に着いてるけど急がなくても大丈夫だからゆっくり来てください」
(解説)18時の時点で恵比寿にいるのなら、「私は8時前には着いてるけど」ではなく「私はもう着いてるけど」と表現するでしょう。山口さんは、本人尋問でこのメールについて「これは移動中に書いたと考えれば自然ですが」「この時間、あなたはもうとよかつにいたということなんですね」と問われ、いずれも「覚えてません」と返答。
【閲覧報告】
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年2月21日
「被告反対尋問」2019年7月8日
原告代理人(加城弁護士)⑥#OpenTheBlackBox #山口敬之 pic.twitter.com/EKEoD1RmKu
19:00前後
山口氏(自宅待機命令中)、伊藤氏からの電話を受け、恵比寿駅に到着したとのことなので恵比寿駅に向かい合流。
19:04
山口氏(自宅待機命令中) ホテルの部屋を解錠
(解説)ここでも解錠記録との矛盾が発生。また、山口氏が「恵比寿に着いたら連絡ください」とメールしたわずか数分後に伊藤氏から到着した旨の電話を受けたという話は不自然に感じます。
以上から、山口さんの説明は客観的な証拠(ホテルの解錠記録、メールのやりとり)と矛盾が生じており、そのまま信用することはできません。単純に事実関係を忘れただけという可能性もありますが、何かを隠したくて嘘をついた可能性もあるかもしれません。なお、控訴審では、解錠記録との整合性を考えてか、山口さんは落ち合った時間を19時から19時30分の間、と主張しています。裁判の行方に注目です。