【閲覧報告】
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年6月19日
「訴訟記録閲覧等の制限申立書」(令和2年3月12日)
医療機関で作成されたカルテの内容や親族関係の情報は、他人には知られたくない私的情報であって秘密性が高い。(続く) pic.twitter.com/IXfa0Rxz2M
裁判の資料を閲覧・書き起こししてくださる小林さんのツイートを解説するシリーズを始めます。第1回の今回は、2020年3月12日に伊藤さん側の代理人が行った、「訴訟記録閲覧等の制限申立書」についてです。
ざっくりいうと (読むのが面倒な方はここまででOK)
デマ
2020年7月2日現在、判決と山口さんによる控訴理由書を丸ごと閲覧することができないのは、都合の悪い情報を隠したい伊藤さんが閲覧制限をかけたから
事実
丸ごと閲覧できないのは事実。また、伊藤さんが閲覧制限を要請したのも事実。ただし伊藤さんが制限を要請した部分はプライバシーに関連する部分のみ。裁判所は要請が正当なものか検討するまでの間、一時的に文書全体を閲覧できない状態とし、検討終了後に妥当と認めた部分に黒塗りを施し再度閲覧可能な状態となる。(このような措置は他の裁判でもとられているもの)
背景
2020年3-4月頃から、地裁判決や控訴理由書等が閲覧できなくなっていました。これに対して、山口さんを擁護する側は「伊藤さんは判決文すべてに閲覧制限をかけている。彼女の隠蔽体質を示すものだ」という趣旨の批判で盛り上がっていました。
文書の内容
小林さんツイ添付の画像からは、以下が読み取れます。
- 以前、甲5号証(産婦人科診断書)がネットに流出し伊藤さんへの誹謗中傷が激化した経緯がある
- したがって、「別紙記載部分」については、閲覧・コピーできないようにしてほしい。
- 医療機関で作成されたカルテや、親族関係の情報は他人に知られたくない私的な情報であって秘密性が高い
つまり、「判決や控訴理由書には、住所を含む部分や受診した医療機関など原告のプライバシーに関わる部分があるため、その部分に閲覧制限をかけて欲しい」とお願いしたようです。
小林さんによる補足
私が小林さんに事情をお聞きしたところ、以下のような返答が得られました。
- 確かに現時点で「判決」や「控訴理由書」は全文が閲覧できない状態になっている。
- 小林さんが高裁に問い合わせたところ、これは伊藤さんの申し立てを受け、裁判所で検討中だからであり、検討が済んだら必要な部分に黒塗りを施して閲覧に供することになるとのこと。
- 以前も別の裁判で閲覧制限がかかったときに同様の措置が執られたが、その時も3ヶ月以上かかった。今回はコロナウイルスの件もあったからもうしばらく現状が続くのではないか。
- 伊藤さんが閲覧制限を希望した「別紙記載部分」は書き写したが、当の「控訴理由書」や「判決」との突き合わせができない。ただ、印象としてはカルテ記載部分が多いようだ
結論
現在、地裁判決や山口さんによる控訴理由書などは、伊藤さんの申し立てにより、一時的に閲覧できない状態になっている。しかし、裁判所による検討が済めば、閲覧制限が妥当と判断された部分だけ黒塗りが施されてまた閲覧できるようになるだろう。