はじめに
伊藤さんを応援する立場でこのまとめをつくりました。もともと自分用にevernoteにまとめたものを流用しており、体裁があまり整ってません。ご笑納ください。気が向いた時に少しずつ整えていきます。
本件をざっくり言うと
- 事件当時山口さんは既婚者で、TBSワシントン支局長。伊藤さんはTBSヘの就職希望者。避妊具なしで性交が行われたこと、伊藤さんの就職相談のため当日面会したことに両者で争いはない。したがって、仮に山口さんの主張がすべて正しくても、TVメディアが彼を扱いづらくなることは避けられないだろう。
- 伊藤さんは事件後約1週間で警察に事件を相談した。山口氏とメールのやりとりを継続しているが、山口さんからの就職オファーには一切返答していない上、示談申し入れも断っており、伊藤さんの告発が金銭や就職条件を目的としたものとは考えづらい。
- 伊藤さんは刑事告発を行ったが検察は嫌疑不十分のため不起訴と判断。伊藤さんはこれを不服として検察審査会に申し立てたが判断は覆らなかったため、慰謝料など1100万円を求める民事訴訟を提起した。また、事件の経緯を説明し、司法における性犯罪の扱われ方を変えるためとして自著を出版した。これらの検察での判断について、山口氏と安倍総理の関係の近さが影響したのではないかという見方もできるが、その確証はない。むしろ、性犯罪の司法判断の経験則そのものに改善されるべき点がある。
- 民事訴訟での山口さんの主張は「事件当日、伊藤さんは大量に飲酒した」「鮨屋に8時から11時前まで滞在したが、自分はたまたま隣に座ったタレントと話し込んでおり伊藤さんの様子はあまり見ていない」「伊藤さんが泥酔しタクシー車内で嘔吐したため、しばらく休んでもらう目的でやむなくホテルの自室へ連れて行った」「深夜2時頃、伊藤さんは完全に酔いが覚めた様子で、泥酔や嘔吐を謝罪しながら性交を誘ったため、なだめるような気持ちで応じた」「伊藤さんは髪などに嘔吐臭があったが事前にも事後にもシャワーを浴びていない」というもので、首をかしげたくなる部分が多い。また、伊藤さんの訴訟や出版、記者会見などで名誉毀損されたとして1億3000万円の請求を行った。
- 一方伊藤さんの主張は「就職の口利きを求めたのは事実だがホテルに入ることや性交の同意などしていない」「酒量はビール2杯、ワイン1-2杯、日本酒2-3合」「経験上この酒量で記憶をなくすほど泥酔するはずがなく、薬物混入を疑うが確証はない」「鮨屋で二度目のトイレに入った22時40分ころから午前5時頃まで記憶がない」「午前5時頃、痛みで目が覚めると山口氏により性交されていた(準強姦に相当:抵抗できない状態で性交された)」「トイレに行くといって性交を中断してもらった。その後、家に帰ろうとしたが、再度ベッドの上に投げ出され無理矢理性交されそうになった(強姦未遂に相当?:暴行を用いて性交されそうになった)」というもの。
- 東京地裁は「山口氏の主張は変遷が多く、深夜に伊藤さんの酔いが覚めたという部分も信用できない。伊藤さんの主張は相対的に信用できる」として、山口氏に330万円の支払いを命じた。山口さんによる名誉毀損訴訟については、「伊藤さんによる公表は内容が真実で、社会的意義がある」として訴えを退けた。
- 山口氏は控訴し舞台は東京地裁へ移った。また、伊藤さんははすみとしこ氏などに対して名誉毀損訴訟を提起、現在も係争は続いている。
- 準強姦の時効は10年間のため、2025年までは事件の再捜査が行われ山口氏が起訴される可能性も残っている。
事件の経緯
2012年12月 第二次安倍政権発足、山口氏による単独インタビューが「安倍さんに失礼」とtogetterで話題に
またしてもマスコミの失態!!安倍総理にインタビューするTBS記者の態度が酷すぎると話題に - Togetter
2012年末のTBS報道番組で山口さんが就任直後の安倍首相に単独インタビューを行っている。今、山口さんを支持する人の中にも、このときは「態度がでかい」と彼を叩いた人がいるのでは。
2013年8月 山口さん、ワシントン支局長就任
山口氏も自身のFacebookで報告している
2013年9月 伊藤さん・山口さん、ニューヨークのピアノバーで初対面
ワシントン就任からまもなくニューヨークを訪問、仕事仲間?と訪問したピアノバーで伊藤さんと対面。
2014年 9月 伊藤さん、山口さんの紹介でNY日テレでインターン
山口氏は伊藤さんに仕事を紹介した実績がある。
2015年
3月25日 伊藤さん、TBSワシントン支局でのインターンを求めて山口さんにメール
今回の事件直前、伊藤さんからアプローチしている。
3月26日 週刊文春に山口氏執筆の「ベトナム戦争・韓国軍慰安所」記事掲載
山口敬之が書いた「ベトナムでの韓国軍慰安婦」記事の話について - 電脳塵芥
3月31日ー4月3日
TBS、文春記事掲載について山口氏に事情を聴取
4月3-4日 事件
4月9日 伊藤さん、事件を警察に相談
9日には当時の住所最寄りの警察署に相談したが、管轄が違うと言われ11日に改めて
4月23日 山口さん、TBSワシントン支局長を解任
韓国軍のベトナム慰安所報道で処分、「左遷」 TBS山口敬之ワシントン支局長に激励の声相次ぐ: J-CAST ニュース
当時、支局長解任はベトナム戦争慰安所記事が原因と報道された。
地裁判決後に書かれたものだが、事件時点でTBSは情報を得ており、解任は伊藤さん事件が原因ではないかと考察している。
4月30日 伊藤さん、被害届提出および準強姦罪で告訴状提出
5月8日 「山口敬之さんを励ます会」が開かれる
twitterで報告した有本香さんによれば、このとき、伊藤さんの事件のことは公になっていないこともあり、話題にでなかったとのこと。↓経緯はこちら
出席された方々がそれぞれtwitterやFBで報告。小川榮太郞さんもtwitterで「2次会が今終わった」みたいな報告を5月9日の深夜に行っておられた。
6月8日 山口さんの逮捕状不執行
BlackBoxでの該当部分の記述は詩文的になっており解釈しづらい部分があるのは事実。その辺を衝いて「逮捕状執行と取り消しはウソ」という主張が一部でなされている。解説するエントリを試みたが、異常に長くなる上に、「ウソ」だと主張する人たちはどうせ主張を変えないだろうから放っておくことにした。
8月 書類送検
2016年
5月31日 山口さん、TBSを退職
6月9日 山口さん、著書「総理」発売
颯爽とフリージャーナリストとしてのデビューを飾る山口氏。
7月22日 山口さん「嫌疑不十分」で不起訴
不起訴処分が下る前から本を出版するなどの目立った動きを始めていたことになる。
2017年5月10日 週刊新潮が事件を報道
あの夜何があったのか――「山口敬之」準強姦逮捕状が握り潰されるまでを改めて振り返る
<あなたのような素敵な女性が半裸で…>山口敬之が被害女性に宛てた弁明メール 安倍総理ベッタリ記者の準強姦逮捕状
準強姦逮捕状の「安倍総理」お抱え記者、取材メールを内閣情報官に転送? アッキーも“いいね!”の官邸フォロー
レイプ被害届出した女性が異例の素顔、実名公表会見
TBS社長、山口敬之氏は「説明ないまま退職した」
2017年9月22日 検察審査会、不起訴相当の議決
「詩織さん」準強姦を不問に付した検察審査会 「不起訴相当」までの奇怪な経緯
2017年9月28日 伊藤さん、民事訴訟を提起
2017年10月18日 伊藤さん、著書BlackBoxを発売
2017年10月24日 伊藤さん姓を明かし2回目の記者会見
2017年10月26日 山口さん、反論手記を公開
【独占手記】私を訴えた伊藤詩織さんへ|山口敬之
https://hanada-plus.jp/articles/250
https://hanada-plus.jp/articles/260
2017年12月 山口氏、反論手記第二弾を掲載
2018年1月31日 安倍総理、予算委員会で「山口氏は番記者の一人」
(1)伊藤詩織さん裁判詳報 「自分を守ることに必死だった」あの日を振り返る
性被害者を侮辱した「伊藤詩織」の正体
【閲覧報告】
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年2月8日
「判決文」2019年12月18日
当裁判所の判断①#OpenTheBlackBox #詩織さん #山口敬之 pic.twitter.com/jumMnSa46T
判決全文の閲覧報告。
【閲覧報告】
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年3月25日
「判決文」
4、争点(3)(本件公表行為が被告に対する不法行為を構成するか)について①#OpenTheBlackBox #詩織さん #山口敬之 pic.twitter.com/drqsQQYlRn
山口氏の反訴(名誉毀損)部分についての判決文。
【判決詳報】伊藤詩織さん勝訴、「合意ないまま性行為」と判断された理由…元TBS記者の証言に疑念
★★山口敬之さんが会見、「官邸の働きかけがあったか?」海外記者からの質問に何と答えたのか
山口敬之氏はなぜメソメソ泣いて会見しないのか
女性記者にだけ態度が違った?1 山口さん会見での主張「矛盾があるとは思ってない」とは
伊藤詩織さん、はすみとしこさんらを提訴 「ツイッターで虚偽の内容を投稿された」 - 弁護士ドットコム
会見ノーカット動画
2020年8月20日 伊藤さん、杉田水脈議員に対する訴訟を提起
https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20190805-00136828/
(参考)法務省「第8回 性犯罪施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」
2018年頃までの報道や各種の動静がまとめられている他、関連動画の全文書き起こしなどもあり非常に価値の高いサイト。